大学入試で早稲田大が11年連続で守ってきた志願者数日本一の座を明治大に明け渡すことがほぼ確実となり、大学や受験業界など関係者の話題を集めている。明大がトップに立てば初めて。躍進の背景には不況の影響もあるという。
早大の一般入試の志願者数は09年度比5651人減の11万5515人で確定している。一方、明大の志願者数は18日現在、同8922人増の11万5158人。今のところ早大が1位、明大が357人差の2位だが、明大は3月5日締め切りのセンター試験利用入試(後期日程)が残っている。明大によると、例年この試験には600〜700人の出願があり、最終的に早大を抜くのがほぼ確実の情勢だ。
教育情報通信社、大学通信(東京都千代田区)の安田賢治ゼネラルマネジャーは「不況で受験生が無理をしなくなっているのが最近の特徴」と言う。従来ならば浪人覚悟で私大最難関と言われる早大や慶応大を目指した層の受験生が、明大などに流れているという分析だ。実際、慶大も10年度は1629人減少。一方、明大と偏差値帯が同じ法政大が7376人増の3位に位置している。
私大一般入試の受験料は3万5000円が相場。教育出版社の旺文社(新宿区)によると、1人当たりの受験数は09年度入試で5.42校・学部。同社教育情報センターは10年度について「受験コスト削減のため、いわゆる『記念受験』をやめるなどして併願数が減る」とみている。
「コスト削減」の一環として、一般入試の半額程度で受けられるセンター試験利用入試に人気が集中したのも10年度の特徴で、大学通信のまとめでは主要49大学でセンター試験利用の志願者が7.8%増えた。また、受験料を引き下げたり、複数の学部を受ければ割り引くなどした私大も志願者を増やした。
明大広報課は早大などから受験生が流れているという分析を認めた上で、07年度に導入した地方受験などの入試改革の成果を強調。「教育や就職に力を入れていることなど、総合的に受験生に評価された結果だと思っている。日本一になれば素直にうれしい」と話す。一方、99年度に日本大を抜いて以来のトップの座から降りることになる早大は「コメントのしようがない」(広報課)としている。【井上俊樹】
【10年度入試の志願者数】(18日現在)
(1)早稲田※11万5515人
(2)明 治 11万5158人
(3)法 政 9万3062人
(4)日 本 8万8956人
(5)中 央 8万1198人
(6)関 西 7万8166人
(7)立 教※7万2966人
(8)立命館 6万9561人
(9)東 洋 6万3289人
(10)近 畿 6万2816人
大学通信まとめ。推薦やAO入試は除く。※は志願者数が確定
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