JR福知山線脱線事故の報告書漏洩(ろうえい)問題で、JR西日本の佐々木隆之社長は14日、企業倫理委員会の設置や役員行動規範の制定−といった再発防止策の進捗(しんちよく)状況を前原誠司国土交通相に報告した。
同社が設置していたコンプライアンス特別委員会が昨年11月、国交省に提出していた漏洩問題の調査報告書の中で、再発防止策の実行状況を定期的に報告するとしていた。
佐々木社長は、外部有識者を含む企業倫理委員会を設置し今年2月に初会合を開いたことや、役員が漏洩に関与したことを重視して「誠実・謙虚・自律」をうたった役員行動規範を制定したことなどを報告。また、取引先の社員に限定されていた弁護士直通の内部通報窓口を昨年12月から同社社員やグループ会社の社員にまで拡大したことも伝えた。
報告を受けた前原国交相は「大事なのはどう定着させるのかだ」と応じたといい、佐々木社長は記者団に対し「企業倫理を仕事の中で反映させるよう行動する。事故と被害に遭われた方に真(しん)摯(し)に向き合うことを基本方針に今後も精いっぱい努力したい」などと話した。
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